プラモデルを組み立てていて、「もっとカッコよくしたい」「パッケージの箱絵みたいに仕上げたい」と思ったことはありませんか? その願いを叶える魔法、それが「塗装」です。
しかし、いざ始めようとすると、「難しそう」「道具が高そう」「シンナーの匂いが心配…」といったハードルを感じてしまう方も多いはずです。
でも、安心してください。塗装の世界はとても広く、「ペン一本」から始められる手軽な方法もあれば、「匂いの少ない塗料」でリビングで安全に楽しめる方法もあります。
この記事では、プラモデル塗装の全体像を整理し、あなたの環境・予算・目的にぴったりの塗装方法を見つけるための「完全ガイド」をお届けします。
※各塗装方法の詳しい塗り方テクニックについては、今後公開する別記事で深掘り解説する予定です。まずはこの記事で、自分に合うスタイルを見つけましょう!
【診断】まずはチェック!あなたに合う塗装方法はどれ?
塗装には大きく分けて4つの種類がありますが、どれが正解ということはありません。「あなたの環境に合っているか」が最も重要です。
まずは、以下の質問にYESかNOで答えてみてください。あなたにおすすめの方法がすぐに見つかります!
【診断スタート】
Q1. 家族がいて「シンナーの匂い」は絶対にNG! リビングで安全に塗りたい。
- YES → 【タイプA】 へ
- NO (ベランダや換気扇がある、多少の匂いは大丈夫) → Q2 へ
Q2. 広い面積(ロボットの装甲や車のボディなど)を一気にキレイに塗りたい。
- YES → Q3 へ
- NO (武器や目など、細かい部分だけ塗れればいい) → 【タイプA】 へ
Q3. 予算は2万円以上かけてもOK。プロのようなグラデーション塗装にも挑戦したい!
- YES → 【タイプD】 へ
- NO (まずは数千円で、手軽にキレイに仕上げたい) → 【タイプC】 へ
【診断結果】あなたのタイプは?
【タイプA】のあなたにおすすめ!
「① マーカー塗装」 または 「② 筆塗り(水性塗料)」 リビングで安全に楽しめる方法です。手軽さ重視ならマーカー、じっくり塗るなら筆塗りがおすすめ!
【タイプB】のあなたにおすすめ!
「② 筆塗り(水性・エナメルなど)」 匂い対策ができれば、使える塗料の幅が広がります。筆塗りでリアルな質感を表現してみましょう。
【タイプC】のあなたにおすすめ!
「③ 缶スプレー」 広い面積をテクニック不要で均一に塗装できます。初期費用も安く抑えられます。
【タイプD】のあなたにおすすめ!
「④ エアブラシ」 塗装の到達点です。初期費用はかかりますが、仕上がりの美しさと自由度はNo.1!
ここからは、それぞれの塗装方法について、具体的な特徴とメリット・デメリットを解説します。
プラモデル塗装、4つの種類とメリット・デメリット
① ガンダムマーカー(マーカー塗装)
最もハードルが低いのが、ペンタイプの塗料を使う方法です。「ガンダムマーカー」が有名ですが、スケールモデルにも使えます。
メリット:
道具はペンだけ。準備も片付けも一瞬で終わります。
シンナー臭がほとんどなく、リビングでも学校帰りでもすぐに塗れます。
デメリット:
広い面積を塗ろうとすると、塗りムラが出やすいです。
こんな人におすすめ:
「センサーの緑色だけ塗りたい」「武器のグレーだけ足したい」というちょい足し派の方。
② 筆塗り
筆と塗料を使って色を乗せていく、絵画に近い古典的かつ奥深い方法です。
メリット:
筆と塗料があれば始められるので、初期費用が安いです。筆跡をあえて残すことで、重厚感やリアルな質感を表現できます。
また、「水性塗料」を使えば、匂いを気にせず室内で楽しめます。
デメリット:
ツルツルに均一に塗るには少しコツがいります(筆ムラが出やすい)。
こんな人におすすめ:
省スペースでじっくり作業に没頭したい方。ミリタリーモデルや美少女プラモの肌塗装にも。
③ 缶スプレー
塗料が入ったスプレー缶で、霧状にして吹き付ける方法です。
メリット:
シュッと吹くだけで、広い面積を均一に塗装できます。筆ムラに悩むことはありません。車やバイクのボディなど、ツヤを出したい時に最適です。
デメリット:
色の調合(混色)ができません。
また、霧が舞うため、室内では原則禁止。ベランダや屋外で、ダンボールなどで囲って行う必要があります。消耗が早く、たくさんの色を揃えると意外とコストがかかります。
こんな人におすすめ:
カーモデルや、ロボットの装甲を一気に色変えしたい方。
④ エアブラシ
コンプレッサー(空気を圧縮する機械)とハンドピース(吹き付け器具)を使う、プロモデラー御用達の方法です。
メリット:
塗膜が非常に薄く均一で、市販品のような美しい仕上がりになります。グラデーションや迷彩など、高度な表現が自由自在です。
また、塗料を瓶で買うため、長期的にはランニングコストが良いです。
デメリット:
初期費用がかかります(セットで1.5万円~)。
また、コンプレッサーの動作音や、塗装ブース(排気ファン)の設置など、環境整備が必要ですし、使用後の洗浄メンテナンスが必要です。
こんな人におすすめ:
プラモデルを一生の趣味にしたい!最高の作品を作りたい!という方。
知っておくべき「塗料」の3大分類
塗装方法(道具)が決まったら、次は「塗料(インク)」の種類を知っておきましょう。これを間違えると、「匂いで家族に怒られた」「プラスチックが割れた」といった失敗に繋がります。
主な種類は以下の3つです。
1. ラッカー系(油性)
特徴:
乾燥が早く、塗膜が最強。日本のプラモデル塗装の主流です(Mr.カラーなど)。
注意点:
シンナー臭が強いです。必ず換気扇のある環境や、塗装ブースが必要です。
2. アクリル・エマルジョン系(水性)★初心者おすすめ
特徴:
水で薄めたり用具を洗ったりできる製品が多く、嫌な匂いがほとんどしません。
おすすめ理由:
近年、「水性ホビーカラー」や「ファレホ」など高性能な水性塗料が増えています。現代の住宅事情でリビング塗装をするなら、迷わずこれを選びましょう。
3. エナメル系
特徴:
伸びが良く、細かい部分の筆塗りや「スミ入れ(溝にインクを流す)」に使われます。
注意点:
溶剤がプラスチックを侵食しやすいため、大量に塗るとパーツが割れる原因になります。基本的には「仕上げ用」として使います。
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マーカー派にはコレ
これさえあれば、ガンダムなどのキャラクターモデルが劇的にカッコよくなります。
筆塗り派(リビング塗装)にはコレ
本格派(エアブラシデビュー)にはコレ
最近流行りの「充電式エアブラシ」なら、大きなコンプレッサー不要で、場所を取らずにエアブラシ塗装を始められます。
まとめ
プラモデルの塗装は、決してプロだけのものではありません。 「ペンでちょっと色を足す」だけでも、それは立派な塗装であり、あなたの作品は世界に一つだけのものになります。
手軽さなら「マーカー」
味わいと環境重視なら「水性筆塗り」
本格派を目指すなら「エアブラシ」
まずは、あなたの環境に合った一番ハードルの低い方法から、最初の一歩を踏み出してみてください。色が乗った瞬間の感動は、きっと忘れられないものになるはずです。